歴史文化博物館の大本学芸員寄稿

鹿踊は鹿頭をかぶり、胸に太鼓を抱え、横縞模様の幌幕で半身を覆って踊るもので、
南予周辺の祭礼に登場する民俗芸能です。全国的には東北地方をはじめとする東日本
に分布していますが、西日本では、福井県小浜地方と愛媛県南予地方周辺にのみ見ら
れます。南予地方の鹿踊は、江戸時代初期に、宇和島藩初代藩主伊達秀宗が宇和島に
入部した折に、仙台から伝えられたと言われているもので、源流は東北地方にあり、
仙台周辺の鹿踊と共通する点が多く見られます。ただし史料上、鹿踊が踊られていた
のを確認できるのは、一八世紀半ばであり、史実として伊達秀宗の入部時に仙台から
伝播したことは現在のところ確認できていません。東北地方との鹿踊との関連につい
ては、大本敬久「東北から伝播した四国の鹿踊」(『東北民俗』四八輯、東北民俗の
会、二〇一四年)にて詳しく紹介しています。



5月24日午後24時 八幡浜新聞


2016年05月24日